移動相(溶離液)の脱気

液体クロマトグラフ(HPLC)

HPLCが市販されて既に40年が経過しました。 この間の技術の進歩は,高精度低脈流ポンプ,再現性に優れたインジェクタ,高感度検出可能な各種検出器を登場させました。 従って,高感度分析や自動連続分析を信頼性高く行えるかどうかは,今やむしろChemicalな要因が重要となってきています。 例えば,試料成分の吸着や安定性,移動相(溶離液)の選択や調製の再現性の問題です。 さらには,移動相中の溶存空気量が,検出器のベースラインの安定性や検出感度を左右することに留意しなければなりません。
さて,移動相中の溶存空気量の調整は,「移動相の脱気」の問題としてとらえることができます。 そこで,本特集号は,「移動相の脱気」についてとり上げ,原理から実際までを解説させて頂きます。 本誌を参考にして頂き,用途に応じて脱気方法を選択・活用していただきますよう,お願いいたします。
LCtalk特集号5 (Special Issue V): 初版印刷1991年