蒸発光散乱検出システム
Evaporative Light Scattering Detector System
蒸発光散乱検出(ELSD-LTII)システム
蒸発光散乱検出(ELSD)は,カラムから溶出した溶離液を蒸発させることにより目的化合物を微粒子化し,その散乱光を測定する方法です。 低沸点化合物を除き 原理的にほとんど全ての化合物を検出することができ,吸光度検出器で検出できない化合物(炭水化物,アルコール,脂質,脂肪酸,界面活性剤,テルペノイドなど)のグラジエント分析で威力を発揮します。
島津の蒸発光散乱検出システムは,高感度な低温作動を実現していますので,安定性・操作性に優れます。
蒸発光散乱検出器(ELSD)の検出感度は,(揮発性が同程度であれば)化合物によらず概ね絶対量に基づきますので,未知の化合物の含有量を調べる上で有効です。 類似の目的には屈折率検出器(RID)も用いられますが,ELSDでは溶離液を除去して検出しますので,t0付近の溶媒ピークの除去や,グラジエント溶離条件でも適用できるのが特長になります(RIDではグラジエント溶離は行えません)。 また高感度測定時の安定化時間もRIDに比べて短縮できます(右下図は糖類500ng分離の比較ですが,ELSDの方が安定なベースラインが得られます)。
さらにELSDではLC-MSとほぼ同じ溶離液を使用することになるため,LC-MSの分析条件検討やデータの補完にも用いることができます。
さらにELSDではLC-MSとほぼ同じ溶離液を使用することになるため,LC-MSの分析条件検討やデータの補完にも用いることができます。
ポリエチレングリコール(PEG)のグラジエント溶離(ODSカラムMeOH/H2O)
ELSDは,溶離液を蒸発させるのでグラジエント溶離にも対応
ELSDとRIDの比較(NH2カラム,MeCN/H2O) ELSDはRIDよりも 1)ベースラインが安定で 高感度,2) t0付近の溶媒ピークが出ない
蒸発光散乱検出器 ELSD-LTII
ネブライザ・ガラスセル
ELSD-LTII は,ELSD-LTの後継モデルであり,感度と操作性を向上しました。
下に検出原理を示します。
【噴霧】 カラム溶出液がガラスセルに入る際,ネブライザガス流を利用して微小なミスト(液滴)にして噴霧します。 このとき,大きなミストはネブライザガスの気流に乗りきれずにガラス壁に付着し液体となって排出されます。 小さなミストはドリフトチューブへ導入されます(=サイフォンスプリット方式)。
【溶離液の蒸発】 ドリフトチューブは加温されており,小さなミストの溶離液が蒸発し目的化合物が微粒子化します。
【検出】 ドリフトチューブから出てきた微粒子に光を当て,散乱光を光電子増倍管(フォトマル)で検出します。 このとき,検出部に到達する直前で流入するアシストガスにより測定試料が光源焦点に集まり,高感度検出が可能になります(=アシストガスフォーカシング機能)。
下に検出原理を示します。
【噴霧】 カラム溶出液がガラスセルに入る際,ネブライザガス流を利用して微小なミスト(液滴)にして噴霧します。 このとき,大きなミストはネブライザガスの気流に乗りきれずにガラス壁に付着し液体となって排出されます。 小さなミストはドリフトチューブへ導入されます(=サイフォンスプリット方式)。
【溶離液の蒸発】 ドリフトチューブは加温されており,小さなミストの溶離液が蒸発し目的化合物が微粒子化します。
【検出】 ドリフトチューブから出てきた微粒子に光を当て,散乱光を光電子増倍管(フォトマル)で検出します。 このとき,検出部に到達する直前で流入するアシストガスにより測定試料が光源焦点に集まり,高感度検出が可能になります(=アシストガスフォーカシング機能)。
蒸発光散乱検出器 ELSD-LTII 原理
ELSD-LTII 検出器特長
1.高感度な低温作動
パラベン類の高速分離例 (ODSカラム,MeCN/H<sub>2</sub>O)
蒸発光散乱検出器のネブライザで発生するミストにはさまざまな大きさのものが生じますが,これらをすべて気化させるには通常ドリフトチューブの温度を上げる必要があります。 一方 ELSD-LTII ではガラスセルでのサイフォンスプリット方式により,微細なミストがドリフトチューブに導入されるので,低温蒸発でもノイズを低く抑えることができ,高感度な分析が可能である点が大きな特長です。
また,カラム溶出以降の成分バンドの拡散を抑制することは高感度検出につながりますが,ELSD-LTIIでは,ドリフトチューブの小内径化,ネブライザの小容量化,前述のアシストガスフォーカシング機能により,これに貢献しています。 (なおアシストガスフォーカシング機能は,検出部壁面へのサンプル飛散による汚染も抑制されるためメンテナンス上も好都合です)
このような低温蒸発技術により,半揮発性の化合物や熱に不安定な化合物も他製品に比べて高感度に検出することができます。 右図はパラベン類の高速分離例ですが,やや揮発性を持つこれら化合物でも高い感度を実現しています。
また,カラム溶出以降の成分バンドの拡散を抑制することは高感度検出につながりますが,ELSD-LTIIでは,ドリフトチューブの小内径化,ネブライザの小容量化,前述のアシストガスフォーカシング機能により,これに貢献しています。 (なおアシストガスフォーカシング機能は,検出部壁面へのサンプル飛散による汚染も抑制されるためメンテナンス上も好都合です)
このような低温蒸発技術により,半揮発性の化合物や熱に不安定な化合物も他製品に比べて高感度に検出することができます。 右図はパラベン類の高速分離例ですが,やや揮発性を持つこれら化合物でも高い感度を実現しています。
2.自動化機能でランニングコスト低減
ランプやネブライザガスのON/OFFが外部からイベント信号で制御可能なため,ランプの無駄な点灯やネブライザガスの消費を抑制し,ランニングコストを低減することができます。 例えば・・・ガスを 1.75 L/minで使用すると,47L の N2 ボンベの交換周期は,ELSD-LTでは約3日でしたが,ELSD-LTIIでは約6日(1日12時間稼働させた場合)になります。 また,ドリフトチューブの自動洗浄機能により分析終了後にドリフトチューブ内の自動洗浄が可能です。
3.光源ランプの長寿命化
長寿命ランプとしてLED光源を採用することにより,ランプ交換目安時間が5,000時間に延びました(ELSD-LTではタングステンランプで交換目安:2,000時間) 。
ELSD-LTII 検出器仕様
| 光源 | LED | アナログ出力 | 0-1V | |
| 検出 | 光電子増倍管 | 出入力端子 | RS-232Cシリアルポート | |
| 温度設定範囲 | 室温~80℃ | 周囲温度 | 5~40℃ | |
| ネブライザガス | 最大3.0mL/min(窒素または空気) | 電源 | AC100V,210VA,50/60Hz | |
| 自動化機能 | オートゼロ,ネブライザガスON/OFF,光源ON/OFF,ドリフトチューブ自動洗浄 | 自己診断機能 | 有(ガス圧,ランプ使用時間,温度安定) | |
| 溶離液(移動相)流量 | 標準0.2~2.5mL/min | 寸法,重量 | W250×D550×H450mm,20kg |
* ガス供給源ガス配管,窒素ジェネレータ,エアーコンプレッサなどのガス供給源が必要です。
* 必ず排気設備が整った部屋でご使用ください。
* 必ず排気設備が整った部屋でご使用ください。
ELSD検出器は,Evaporative Light Scattering Detector の略で,標準的には蒸発光散乱検出器と表記されるほか,エバポレイティブ光散乱検出器,エバポレーティブ光散乱検出器,エバポレイト光散乱検出器,などと表記される場合があります。 なお 多角度光散乱検出器 は別の原理・目的の検出器です。