GC学会発表資料

GC関連の学会発表資料をご紹介しています。

 

No. タイトル / 内容
18 GCによるECL比較を用いた脂肪酸cis, trans体判別法の実試料への適用 New!
【日本食品衛生学会 第110回 学術講演会 P-81】 fhsj110-p81.pdf(1,870kB)   
トランス脂肪酸のGC分析にはシアノプロピル系強極性液相のキャピラリカラムが利用されていますが,異性体分離に最適と考えられるシアノプロピル系キャピラリカラムを用いても硬化油に存在するcis, transおよび二重結合位置異性体すべてを分離することは困難です。また,GC分析に必要な標準品も一部の異性体しか市販されていません。今回,異なるGCオーブン温度での複数の分析から得られるECL(相対炭素鎖長)比較によるcis, trans異性体判別法1)の報告をもとに,判別法を実試料へ適用し、有意性の確認を行いました。
17 MEPSを用いた食品粗抽出液中の残留農薬分析
【第34回農薬残留分析研究会 P-11】 pssj34-p11.pdf(346kB)   
QuEChERS等簡易抽出法で得られた食品粗抽出液中のリン系農薬を,AOC-MEPS*システムを用いて,抽出,濃縮について検討しました。また,MEPSカートリッジへの試料負荷後の充填剤洗浄方法を検討し,GC-FPDのクロマトグラム上で妨害となる夾雑成分の除去も試みました。
茶葉等カフェインを多く含む試料の抽出液をMEPSカートリッジで前処理する際,洗浄溶媒を最適化することでカフェイン等夾雑成分の妨害ピークを低減できました。今回の前処理条件では,MEPSカートリッジを100回以上使用できました。AOC-MEPSシステムは,抽出液を簡便に分析することができ,スクリーニング分析に有効であると考えられます。
*MEPS(Micro Extraction by Packed Sorbent):SGE社が開発したシリンジニードルと一体になった固相抽出カートリッジ
16 MEPSを用いた水中残留農薬の簡易分析
【第34回農薬残留分析研究会 P-10】 pssj34-p10.pdf(466kB)   
農薬分析で一般的に使用されているDivinyl-benzene系の固相は,MEPSの固相として製品化されていませんでした。そこで,Polystyrenedivinylbenzene copolymer(PDVB)を充填したMEPSを試作し,検討に用いました。また,前処理工程を自動化するためオートインジェクタにMEPSシリンジを搭載したAOC-MEPSシステムを開発し,検討に用いました。
AOC-MEPSを用いることで,水中残留農薬分析の前処理から測定までを自動化することができました。PDVBにて精製水および河川水を用いた添加回収試験を実施したところ,多くの農薬成分で良好な回収率を得ることができました。本法は水中残留農薬の簡易分析(スクリーニング)として非常に有効であると考えられます。
15 加工食品中トランス脂肪酸の分析 ケン化処理に着目した前処理法
【日本食品衛生学会 第102回 学術講演会 C-05】 fhsj102-c05.pdf(512kB)     
加工食品中のトランス脂肪酸をキャピラリーGC,GC-MSを用いて分析する場合,クロロホムル等の環境負荷が大きい溶媒が大量に使用されることに加え,試料のメチル化が必要となり操作が煩雑になります。 環境負荷の少ない溶媒を用いた抽出およびメチル化までの前処理法の簡便化と,脂肪酸メチル試料のFTIRでの測定を検討しました。実試料には,冷凍ピザやから揚げなどの冷凍食品の他,レトルトビーフカレー,ポテトチップスやチョコチップクッキーなどを用いました。
14 デュアルカラムGCシステムを用いたアミノ酸一斉分析の検討
【日本分析化学会 第60年会 P3136】 jsac60-p3136.pdf(240kB)     
一般にアミノ酸分析はHPLC専用システムで行われていますが,最近では簡易前処理キットを用いて誘導体化を行い,キャピラリGCやGC-MSで迅速に分析する手法も用いられています。 GABAを含むアミノ酸33成分についてデュアルカラムGCシステムを用いて一斉分析の検討を行いました。
13 MEPSを用いた水中残留農薬の簡易分析の検討(2)
【第20回環境化学討論会 P128】 jec20-p128.pdf(783kB)     
MEPS (Micro Extraction by Packed Sorbent) は,シリンジニードルと一体になった固相抽出カートリッジで,数十μLから数mLの試料を吸引して目的成分を固相に捕集し,溶出溶媒を数十から数百μL吸引して目的成分を脱離させ,溶出溶液を直接GCに注入して測定可能な手法です。MEPSの使用により,煩雑な試料前処理を簡略化できるため,短時間に多検体を測定する簡易分析(スクリーニング分析)として有用と考えられます。
本検討では,水中残留農薬222成分の簡易分析にMEPSを使用するための分析条件や使用溶媒の基礎検討を行いました。
12 MEPSを用いた水中残留農薬の簡易分析の検討(1)
【第20回環境化学討論会 1C-7】 jec20-1c07.pdf(855kB)     
MEPSを用いた前処理では,従来の固相抽出法と比べて操作を簡略化でき,短時間に多検体を測定する場合の簡易分析(スクリーニング分析)として有用です。
MEPSによる前処理と測定を自動化するために,AOC-MEPSシステムを開発しました。本システムを用いて,水中農薬222成分について簡易分析の検討を行いました。
11 FTIRおよびGCによるトランス脂肪酸の分析と簡便な食品試料前処理法
【日本食品化学学会第17回学術大会 27】 jsfcs17-27.pdf(280kB)     
加工食品中のトランス脂肪酸をキャピラリーGC,GC-MSを用いて分析する場合,クロロホムル等の環境負荷が大きい溶媒が大量に使用されることに加え,試料のメチル化が必要となり操作が煩雑になります。 環境負荷の少ない溶媒を用いた抽出およびメチル化までの前処理法の簡便化と,脂肪酸メチル試料のFTIRでの測定を検討しました。実試料には,炒飯を用いました。
10 マルチディメンジョナルGC/GCMSを用いたトランス脂肪酸の分析
【第100回日本食品衛生学会 E-29】 fhsj100-e29.pdf(360kB)     
脂肪酸メチルエステルのガスクロマトグラフィーによる異性体分離,特にcis体とtrans体の分離にはシアノプロピル系の強極性キャピラリカラムが多く用いられています。しかし強極性カラムの場合,二重結合数が多い異性体の保持が強くなり,同一炭素数の異性体溶出時間範囲が広がり,より炭素数の大きな飽和成分,二重結合が1箇所の異性体と溶出時間が重なり,分離を阻害する要因の一つとなります。
今回,1stカラムに炭素数毎のグルーピングが容易な中極性カラム,2ndカラムに異性体分離に効果的な強極性カラムを組み合わせたマルチディメンジョナルGC/GCMSシステムを用い,各炭素数毎の異性体分離挙動,特にC18モノエン酸のcis体とtrans体との分離挙動に注目して検討を行ないました。
9 キャピラリGCにおける逆溶媒効果とその改善方法の検討
【日本分析化学会第59年会 P2079】 jsac59-p2079.pdf(277kB)     
溶剤分析では,分析対象成分が比較的低沸点の場合,水やジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶媒が用いられます。分析対象成分が溶媒よりも先に溶出するため,分析条件によっては異常形状ピークが発生し,分析精度が著しく悪化することがあります。この現象は,「逆溶媒効果」と呼ばれています。水溶液中アルコール類の分析で逆溶媒効果による異常形状ピークの改善方法について検討しました。
8 マルチディメンジョナルGCを用いたPCB抽出試料中夾雑成分の分離検討
【第19回環境化学討論会 P-57】 jec19-p57.pdf(522kB)     
高濃度硫酸処理/シリカゲルカラム分画法は,パラフィン,ナフテンを非常に効率よく除去可能ですが,硫酸処理でスルホン化されない一部芳香族炭化水素類等は,わずかですがPCBと同一画分に溶出します。 GC/ECD法では,PCBをこれら夾雑成分よりも選択的に検出できますが,残存する電子吸引性の小さい芳香族炭化水素類等により,PCBの濃度が低く定量される場合があります。 微量分析のため,妨害成分がクロマトグラム上でのPCBと重複すると定量誤差につながる可能性が高く,妨害成分の各PCBピークからの分離が望まれています。 今回マルチディメンジョナルGCシステムを用いて,これら夾雑成分の分離検討を行ないました。
7 マルチディメンジョナルGCMSを用いたPCB類の分析
【第19回環境化学討論会 P-56】 jec19-p56.pdf(581kB)     
多数の異性体を持つPCB類の分析では,分離に優れたPCB分析専用のキャピラリカラムが有用です。 例えば,HT8-PCBカラムは大部分の異性体を分離できる優れたカラムであり,分析に多用されています。しかしPCB類はその異性体数の多さゆえ,HT8-PCBカラムであってもクロマトグラム上で分離しきれない成分が幾つか存在しており,更なる分離向上が望まれています。 HT8-PCBカラムとハートカット分析が可能なマルチディメンジョナルGCMSシステムを組み合わせることによる高分離分析を検討しました。
6 マルチディメンジョナルGCおよびキャピラリ流路切替・分岐可能なGCシステム
【第71回分析化学討論会 G2009T】 jsac70-g2009t.pdf(1,186kB)     
マルチディメンジョナルGCシステムとは,1本のカラムだけでは分離が不充分な成分を,スイッチングデバイスを用いてハートカットし,異なる極性のカラムに導入することで高分離を得ることができるシステムです。 キャピラリ流路切替,分岐による生産性,同定精度の向上を検討しました。
5 スイッチングデバイスを用いたGC/GCMSシステムの農薬分析への適用
【第32回農薬残留分析研究会 P-03】 pssj32-p03-1.pdf(405kB),pssj32-p03-2.pdf(112kB)   
GCMSを用いた残留農薬分析では非常に多数の成分が対象となり,分析カラムには5%フェニル相当の微極性キャピラリカラムが標準的に用いられていますが,最適なカラムといえない場合もあります。
キャピラリカラムの流路切替可能なスイッチングデバイスを用いて,5%フェニル系カラムの汎用性を維持したまま,異なる液相のカラム特性を利用できる「マルチディメンジョナルGC/GCMS分析」,複数の検出器へ流路を切り替えられる「検出器切替分析」の残留農薬分析への適用を検討しました。
4 マルチディメンジョナルGC/GCMSを用いた脂肪酸メチルエステルの分析
【食品衛生学会第98回学術講演会 E-54】 fhsj98-e54.pdf(246kB)     
生体由来の油脂中には様々な炭素数の脂肪酸が含まれており,さらに同一炭素数でも二重結合の数や位置が異なる異性体を多数含んでいます。通常,ガスクロマトグラフィーでは,極性の低いカラムを用いた場合,炭素数毎のグループに分離することは容易であるが,同一炭素数の異性体分離は不充分,極性の高いカラムを用いた場合,異性体分離には効果的であるが,不飽和度の高い成分の保持が強くなり,炭素数の異なる成分が前後して溶出するため定性・解析が非常に困難,という問題があります。
微極性カラムと強極性カラムとを組み合わせたマルチディメンジョナルGC/GCMSを用いて,炭素数毎のグループ化と異性体分離を両立する方法を検討しました。
3 バックフラッシュを用いた農薬類の迅速分析
【第18回環境化学討論会 P-179】 jec19-p179.pdf(176kB)     
食品中の残留農薬を測定する場合,試料中の高沸点夾雑成分がカラムから溶出するのに時間を要し,分析時間が長くなりがちです。例えば,冷凍ギョウザのような加工食品の抽出液には,コレステロールや脂肪酸などの夾雑成分が含まれ,分析時間は概ね30~40分程度必要になります。 冷凍ギョウザ抽出液中の有機リン系農薬類3成分(メタミドホス,ジクロルボス,アセフェート)をターゲットとして,バックフラッシュ分析システムを用いた迅速分析を試みました。また,バックフラッシュと同時に検出器分岐を行うことで,四重極質量分析計(MS)と炎光光度検出器(FPD(P))を用いた高精度分析を試みました。
2 キャピラリーGC用バックフラッシュ素子を用いた迅速分析の検討
【第70回分析化学討論会 P1021】 jsac70-p1021.pdf(103kB)     
発ガン性物質として注目され,米国食品医薬品局(FDA)や欧州共同体(EU)では規制対象成分として指定されているアクリロニトリルの分析にバックフラッシュを適用し,迅速分析を行いました。また,同様にポリスチレン中の揮発性物質についても迅速分析の検討を行いました。
1 キャピラリスイッチングデバイスを用いた検出器分岐,ハートカット分析の検討
【分析化学会2009年会 P2079】 jsac58-p2079.pdf(172kB)     
マルチディメンジョナルGC(MDGC)システムは,1本のキャピラリカラムで十分な分離が得られない成分を,スイッチングデバイスを用いた流路切替技術により,分離挙動の異なる別カラムに導入(ハートカット)することで高分離が得られる手法です。 検出器切替時の1stカラム(内径,長さ)による抵抗管仕様の最適化,および気体,液体各試料への適用を検討しました。