VOC排出抑制制度
今回の規制の特徴
ベスト・ミックスによる目標達成
- 自主的取組を評価し,促進することを基本とし,法規制は限定的に適用するという,従来の公害対策にない新しい考え方に基づいて, 双方を適切に組み合わせて相乗的な効果を発揮させることを目指しています。(政策のベスト・ミックス)
- 目標は3割削減。 規制対象では無い事業者も自主的に抑制してもらうことが期待されています。
また,規制対象となる事業者の代表も検討に参加し, 現実的に対応可能な規制値が類型ごとに決められました。
VOC排出施設の規模要件
- 潜在的VOC排出量を50t/年を目安とします。
排出基準の設定
- 現時点で適用可能な技術を幅広く採用し,各施設ごとに排出基準値を設定します。
- 単位は,排出ガス1立方メートルあたりの炭素数量に換算したVOC量。 ppmCで表記します。
排出ガスの希釈
- 排出ガスの希釈に対応した特段の措置は講じないものとします。
排出濃度の測定頻度
- 原則年2回以上(施設の運転状況を代表する安定した時期)
大気汚染防止法改正の概要
大気汚染防止法の一部を改正する法律
平成16年5月26日 法律第56号成立(第159 回国会)
平成17年6月1日 施行
平成18年4月1日 揮発性有機化合物の排出規制 (届出,及び測定の義務付け。排出基準の遵守は平成22年まで猶予)施行
揮発性有機化合物濃度の測定法
平成17年6月10日 「揮発性有機化合物濃度の測定法」(環境省告示第61号)
平成17年6月29日 「分析計の性能試験方法」公開
改正法によるVOC排出抑制制度の概要
対象
- 大気中に排出され,又は気散した時に気体である有機化合物 (浮遊粒子状物質及びオキシダントの生成の原因とならない物質として政令で定める物質を除く)を, 「揮発性有機化合物(VOC)」として排出抑制を図るものと決められました。
- 工場・事業場に設置される施設で, VOCの排出量が多いためにその規制を行うことが特に必要なものが 「揮発性有機化合物排出施設」として排出規制の対象となります。
施策の指針
- VOCの排出規制と事業者の自主的取組とを適切に組み合わせて(ベスト・ミックス), 効果的な排出抑制を図る。
排出規制
- 揮発性有機化合物排出施設の都道府県知事への届出義務
- 排出濃度の測定義務
- 排出口からの排出濃度基準の遵守義務
VOCの排出抑制制度の基本的な考え方
目標
- 平成22年度までに固定発生源排出量を平成12年度に比して3割削減することを目標とします。
VOC排出施設の類型
VOC排出施設 | 規模要件 | 排出基準 | ||
1 | 塗装施設(吹付塗装に限る) | 排風機の排風能力が100,000m3/時以上のもの | 自動車製造の用に供する塗装施設(吹付塗装に限る) 400ppmC (既設700ppmC) |
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その他の塗装施設(吹付塗装に限る) 700ppmC |
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2 | 塗装の用に供する乾燥施設(吹付塗装及び電着塗装に係わるものを除く) | 送風機の送風能力が10,000m3/時以上のもの | 木材・木製品(家具を含む)の製造に供するもの 1,000ppmC |
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その他のもの 600ppmC |
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3 | 接着の用に供する乾燥施設 (木材・木製品の製造の用に供する施設及び下欄に掲げる施設を除く) | 送風機の送風能力が15,000m3/時以上のもの | 1,400ppmC | |
4 | 印刷回路用銅張積層板,合成樹脂ラミネート容器包装, 粘着テープ・粘着シート又は剥離紙の製造における接着の用に供する乾燥施設 | 送風機の送風能力が5,000m3/時以上のもの | 1,400ppmC | |
5 | グラビア印刷の用に供する乾燥施設 | 送風機の送風能力が27,000m3/時以上のもの | 700ppmC | |
6 | オフセット輪転印刷の用に供する乾燥施設 | 送風機の送風能力が7,000m3/時以上のもの | 400ppmC | |
7 | 化学製品製造の用に供する乾燥施設 | 送風機の送風能力が3,000m3/時以上のもの | 600ppmC | |
8 | 工業製品の洗浄施設(洗浄の用に供する乾燥施設を含む) | 洗浄剤が空気に接する面の面積が5m2以上のもの | 400ppmC | |
9 | ガソリン,原油,ナフサその他の温度37.8度において蒸気圧が20kPaを超える揮発性有機化合物の貯蔵タンク (密閉式及び浮屋根式(内部浮屋根式を含む)のものを除く) | 1,000kL以上のもの(ただし,既設の貯蔵タンクは,容量が2,000kL以上のものについて排出基準を適用する) | 60,000ppmC |
注) 「送風機の送風能力」が規模の指標となっている施設で,送風機がない場合は,排風機の排風能力を規模の指標とする。
注) 「乾燥施設」には「焼付施設」も含まれる。
注) 「乾燥施設」はVOCを蒸発させるためのもの,「洗浄施設」はVOCを洗浄剤として用いるものである。
注) 「ppmC」とは,排出濃度を示す単位で,炭素換算の容量比百分率である。
VOC排出施設の規模要件
- 潜在的VOC排出量を50t/年を目安とします。
排出基準の設定
- 現時点で適用可能な技術を幅広く採用し,各施設ごとに排出基準値を設定します。
- 単位は,排出ガス1立方メートルあたりの炭素数量に換算したVOC量。 ppmCで表記します。
排出ガスの希釈
- 排出ガスの希釈に対応した特段の措置は講じないものとします。
排出濃度の測定頻度
- 原則年2回以上(施設の運転状況を代表する安定した時期)