- 環境ホルモン可能性物質分析に関する一般的な質問
- 環境ホルモン可能性物質全般の分析法に関する質問
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環境化学会講演会資料集には,環境ホルモンを分析する際にサロゲートや内部標準物質を添加するようになっていますが,それは何故ですか?
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環境中の環境ホルモン可能性物質の濃度は極めて微量であるため,抽出や濃縮時にロスがあると大きく値が変わってしまう恐れがあります。 そこで目的の環境ホルモンと性質が似た化合物(重水素化ラベル化剤など)を試料に添加し,抽出や濃縮を行ったときの回収率を調べるためにサロゲートを添加します。 装置に導入する直前に加える内部標準物質は,注入誤差や装置のバラツキを保証するために添加されます。
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| 2. |
環境ホルモンをGC-MSで分析する場合,どのようなキャピラリカラムを準備すれば良いでしょうか?
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一般には,DB-1やDB-5のような無極性,微極性のシリコン系液相のキャピラリカラムが用いられます。 ただしスチレンのようにパージアンドトラップ(P&T)法やヘッドスペース法を用いる化合物では,DB-624,アクアティックやボコールのような水質等のVOC分析に使われるキャピラリカラムが必要です。
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環境ホルモンは微量を検出しなければいけないと言われていますが,四重極のMS(QMS)でも分析可能ですか?
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「環境化学会講演会資料集」では四重極MSを使って分析するように前処理方法がまとめられています。 確かにダイオキシン類やコプラナーPCB等は毒性が強く,極微量を検出しなければいけません。 その場合は高分解能のMS(HRMS)が必要となります。 しかし,それ以外の大部分の環境ホルモンと言われている化学物質は,四重極MSであるQP5050Aで検出が可能です。
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GC-MSのイオン化にはEI(電子イオン化法),CI(化学イオン化法),NCI(負化学イオン化法)がありますが,環境ホルモンの測定にはEIだけで可能ですか?
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一般に環境ホルモンの測定にはEIを用いて定量します。 しかし,より高感度測定のためにNCIを用いる方法をお奨めします。 塩素系農薬等を測定する場合,NCIを使用するとEIと比較して10倍〜100倍の感度向上が期待できます。
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サロゲートはどのような意味で使われていますか?
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環境ホルモンの測定濃度レベルは極微量であるため,抽出や濃縮などの前処理操作中に回収される量を正確に把握することが困難です。 そこで分析目的の環境ホルモンと性質が似た化合物(主に重水素化ラベル化剤等)をあらかじめ試料に既知量を添加します。 前処理操作を行った後,得られたサロゲートの回収率と同じだけ目的の環境ホルモンも回収されていると判断します。 特にGCMSを使った実験では,両者の質量が異なるため容易に判別できます。
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内部標準物質は一般の分析に使われるのと同じ様な意味で使われるのでしょうか?
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環境ホルモンを分析する際に言われている内部標準物質は,シリンジスパイクとも呼ばれ,前処理操作が終わり装置に導入する前に添加されます。 一般的な意味で用いられる内部標準物質とは,シリンジスパイクの働き以外に,今回新たに導入されたサロゲートの働きを含んでいます。 主に目的成分の溶出時間を挟み込むような物質(多環芳香族の重水素置換体等)が用いられます。 それにより装置導入時の誤差を補正します。
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| 7. |
環境ホルモンを分析するときには,どのような容器や器具を使えば良いでしょうか?
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環境ホルモンは私達の身近に存在するという厄介な代物です。 特にプラスチック製品は避けた方が良いでしょう。 フッ素樹脂(例えばPTFE=ポリ四フッ化エチレン)製のものも避けられた方が良いと考えています。 主な実験器具はガラス製のものをお使いになることをお奨めします。 ピンセットやスパーテルは樹脂製ではなく,ステンレスのものをお使いください。
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前処理で液々抽出を行う場合,使用する分液ロートは下部コックはPTFE製,上部の摺り合わせ部分はSPC製のほうがいいのかなど,どのような仕様のものがよいでしょうか? あるいはそれほど気にしなくても良いでしょうか?
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使用用途によっては分液ロートのコックがPTFE(ポリ四フッ化エチレン)製でもよい場合がありますが,環境ホルモンの分析には,一般的にやはり摺り合せのガラス製をお奨めします。 上部も摺り合せの良いものをお奨めします。 *SPC製(グリースを用いないで接続できる透明テーパー型摺りジョイント)
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「無水硫酸ナトリウムで脱水し」と記述がありますが,具体的にはどのような操作になりますか? また,添加する量の目安はありますか?
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有機溶媒に無水硫酸ナトリウムを加えて放置させます。 その後,ろ過で無水硫酸ナトリウムを除去します。 使用する無水硫酸ナトリウムは予め電気炉などで十分に乾燥していただく必要があります。 無水硫酸ナトリウムの添加量についてですが,ビーカーを振って無水硫酸ナトリウムが固まるようだと添加量として不足です。 過剰になると,無水硫酸ナトリウムの結晶がサラサラ動くようになります。 水分がどの程度混入しているかによって必要な添加量は変化します。
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サロゲート物質として d化体を使用することになっていますが,分析精度を上げるためにいい方法だと思います。 何故,内標準にまで d化のナフタレン等 d化体を使用しなければならないのか疑問です。 スチレンダイマートリマーについても d化体の1,2-ジフェニルエタン-d14を使用することになっています。 d化体でなくてもいいと思うのですが,どうしてでしょうか?
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今回の環境庁からの試験法は基本的にGC-MSで測定することが前提にあり,GC-MSであれば測定目的物質と同じ挙動をし,しかも質量が異なる安定同位元素を使う方法は非常に意味があります。 今回のサロゲート物質は目的成分の回収率を求めるために用います。 その際,目的成分と同じ回収率が得られる目的成分の同位体は理想的な物質となります。 また内部標準物質を最後に添加することになっていますが,この目的は注入誤差の補正,GC-MS感度の補正を行なうためです。 ここでもできるなら測定物質の同位体を用いる方が良いのですが,サロゲートに使っているため難しくなります。 そこで基本的には多環芳香族の同位体を用いています。 本来なら測定成分と類似した,しかも試料中に含まれない化合物を用いる方が理にかなっていますが,今回の場合,多くの類似化合物を一斉に測定することになっており,なかなか適当な物質がないのも現状です。 そこで多環芳香族を適当にリテンションタイムの近い化合物を選び,しかも同位体でカバーしているというのが実状です。
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環境ホルモンの窒素吹き付け濃縮に窒素ガスを使用しています。 先日の講演会の要旨集で,水や窒素ガスの汚染は活性炭などで除去するとありましたが,どのようなものを使えば良いですか?
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私ども液体窒素をそのまま使用しています。 ボンベ,配管,減圧器等の汚染がなければ,そのまま使用されても良いと思います。 このことはHeガスも同じです。 Heガスを濃縮する測定装置(例えばP&T,キャニスター,チューブ加熱脱着等)はシックスナイン(99.9999%)を使用しています。 その際,精製装置を付けるかどうかは測定を行ってから判断しています。 現在はフタル酸分析用GCMSのみ炭化水素トラップを付けています。
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