LabSolutionsはメソッド開発や定型分析でのクロマトグラムの妥当性判断に必要なカラムパフォーマンスやS/N比等のパラメータの自動計算機能を標準搭載しています。また,定量計算においては,標準試料の得られない不純物等の定量を可能にする参照標準機能や標準試料採取量に対するファクター機能などの標準サポートに加えて,各種計算を実現するカスタムパラメータ機能など充実した定量計算機能を提供します。更にGC分析で,キャピラリカラムの交換時などカラムの状態変化に対応する目的成分の保持時間を自動修正する機能も提供します。

LabSolutionsの多彩な計算機能

 

  • 各同定ピークにおけるS/N比,定量限界,検出限界を自動計算
  • 複数の計算方法(JP,USP,EP等)によるカラム性能評価パラメータの同時出力
  • 標準試料が準備できない化合物の検量線作成と定量計算
  • 同一データ内での定量結果に対するカスタム計算機能
  • 目的成分の保持時間を一斉に自動修正するAART(保持時間自動修正)機能

S/N比,定量限界や検出限界の結果出力表示も簡単

 

LabSolutionsでは,データ処理パラメータを設定することで簡単に各同定ピークにおけるS/N比,定量限界や検出限界の測定結果を画面上に表示,レポートにも出力できます。また複数の計算方法(JP,USP,EP法)によるカラム性能評価パラメータの同時出力や第15改正日本薬局方第一追補(一般試験法)で追加された[ピークバレー比]の出力にも対応しています。

S/N比や検出限界,定量限界の測定結果表示

S/N比や検出限界,定量限界の測定結果表示

標準試料が用意できない化合物でも定量可能

 

不純物などのように標準物質がすべての成分について準備できないときに,検出器に対する相対感度が同じ(または比例関係にある)標準物質で検量線を作り,ほかの成分(不純物など)の濃度(含有量)を定量します。検量線情報を参照する化合物のIDと感度補正係数を入力することで設定した化合物の検量線が作成され,その検量線で定量計算が行なわれます。

参照標準IDと感度係数の設定例

参照標準IDと感度係数の設定例

 

⇒ (関連情報1)高濃度試料も正しく定量!新しい解析手法i-DReCのご紹介(難易度:易)
⇒ (関連情報2)Technical Report フォトダイオードアレイ検出器の新しい分析手法i-DReC (intelligent Dynamic Range Extention Calculator)の原理と概要(PDF)(難易度:やや難)

定量結果に対するカスタムパラメータ機能

 

同定された各ピークの面積値,高さ値,濃度値,保持時間等に対して任意のファクターを用いた計算式を適用して定量計算結果を算出することができます。例えば,測定データのメインピークに対する合計した類縁物質ピークの存在比率の計算,医薬品等の溶出試験において溶出量の算出等に有用です。このカスタムパラメータ機能は,バッチテーブルの任意の行に設定することができ,本機能を有効にした行の測定データに対してカスタム計算式を適用します。

カスタムパラメータの設定画面

カスタムパラメータの設定画面

目的成分の保持時間を一斉に自動修正するAART(保持時間自動修正)機能

 

キャピラリカラムの交換時などカラムの状態変化に伴い,目的成分の保持時間の修正が必要になります。AART(Automatic Adjustment of Retention Time:保持時間自動修正)機能を用いれば,事前に登録した目的成分の保持指標(リテンションインデックス値)とn-アルカンの保持時間実測値から,目的成分の保持時間を計算し,一斉に修正する事ができます。

AART機能による目的成分の保持時間自動修正機能(GCデータ)