ロバーバル機構

上ざら天びんBX・BWシリーズや分析天びんAW・AX・AYシリーズなど、島津の上ざら式の電子天びんにはロバーバル機構が採用されています。

ロバーバル機構は17世紀にフランスの数学者ロバーバルにより考案された機構です。試料をさら上のどの位置に載せても、バランスがくずれることはありません。今回は上ざら天びんの基本原理ともいうべき、この機構について説明します。

ロバーバル機構がないとどうなるか?

図Aの天びんでは、さらはさおに固定する構造となっています。この構造の天びんではてこの原理で、支点から分銅までの長さと、試料までの長さの比は、同じでなければなりません。もし、載せる位置を点線のように変えたとすると、同じ試料を載せたとしても、この天びんは釣合いません。試料を載せる位置によって釣合ったり合わなかったりでは天びんとしては使えないということです。

図A

そこで

図Bのように、それぞれの辺が自由に動ける平行四辺形の枠組みを形成します。その柱の部分にさらを取り付け、そこに載せるようにすると、試料と分銅の重さが同じなら載せる位置には関係なく、バランスします。試料はさら上の、どこに載せても問題ありません。

図B

これがロバーバル機構の基本型です。
島津の上ざら電子天びんは、この機構を基に更に工夫を重ね、優れた精度(偏置誤差が少ない)を実現しています。