「校正証明書」に使われている用語解説

JCSS分銅を購入されたり、校正を受けられたりした場合に「校正証明書」が添付されます。その中で使われている用語についてよく質問があります。今回はその用語について解説します。

<校正証明書>

校正証明書は表紙(本文)と校正値の表の2枚がセットになっています。一枚目(a)には依頼者名、分銅の種類、校正の実施日等が記載されています。二枚目(b)には校正値と測定条件が記載されています。証明書には左肩にJCSSロゴマークが付されており、このロゴマークが国家標準とのトレーサビリティを証明しております。

(a)

(a)

(b)

(b)

●表す量

分銅の公称値(質量)です。分銅を示すときに“○○gの分銅”と呼んでいますが、その○○gのことです。

●協定値

温度20℃における分銅の密度を8000kg/m3、空気の密度を1.2kg/m3とみなした場合の質量値が協定値です。

分銅の質量を厳密に測定し、表示しようとすると、分銅材質の密度、測定したときの空気の密度等が明らかなっている必要があります。測定した値にそれらの数値による補正を行って、質量値を表示します。

ところが、実際には分銅の密度はその材質、温度等により異なり、空気の密度も気温、気圧、湿度等により常に変化しています。質量を表示しようとすると、どうしてもそれらについての条件を取り決めておくことが必要になるので、JCSS分銅では協定値という表現を用います。

なお、校正値は、○○g+(または-)△△mg等と表示されますが、記号が「+」のときは△△mg分重いことを示しています。この値△△mgは小さいほど表す量(公称値)に近い分銅であるといえます。

●不確かさ

イメージ的には「誤差」と同じようなものと考えて結構です。誤差は真の値と測定値の差を意味します。ところが、実際問題どんなに厳密に測定し、できる限りの補正を加えたところで、真の値を知ることはできません。そうなると誤差そのものも推定値に過ぎないということになります。

そこで測定値に補正を加えた上で、その値がどれほどの信頼性を持つのか、客観(確率統計)的に分かるよう表記したのが「不確かさ」という表現です。この表現方法は国際的に統一された取り決めに基づいているため、誰でも同じ尺度で利用できるという特長があります。なお、不確かさは、種々の誤差要因についてそれぞれ不確かさがいくらであるかを算出し、それらを合算し、更に計数を掛けて求めたものです。