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「容器包装材中の残留有機溶剤のGC分析について」
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食品の包装材料や容器については,その製造工程で印刷や接着など有機溶剤が使用されるため,残留有機溶剤の品質管理が求められます。 包装材料に残留する有機溶剤は従来から分析されてきましたが,最もよく用いられる分析手法はヘッドスペースGC法(サンプリングにヘッドスペース法を用いたガスクロマトグラフィー)です。
包装材料中の残留有機溶剤の分析例についてご紹介します。
(* なお,化合物が同じでも対象となる試料や測定目的により,試験法が厳密に定められている場合があります。 このページは一般的な機器分析例をご紹介します。)
ヘッドスペース法による食品用包装材(菓子)のキャピラリカラムによる高速分析例を示します。10cm×10cmの試料を用いてGC-FID検出器
(水素炎イオン化検出器:有機溶媒全般を検出)
で分析しました。 また,有機溶剤標準溶液を添加(約15μg)して同様に分析を行いました。
図1 食品包装材(菓子)の高速分析例(キャピラリカラム)
また,パックドカラムを用いたヘッドスペース法による食品用包装材(菓子)の分析例も示します。
図2 食品包装材(菓子)の分析例(パックドカラム)
バイアル保温温度:80℃
バイアル保温時間:30分
注入量:0.8mL
カラム:PEG-1500 20% on Shimalite
(2.6mm×3m)
カラム温度:80℃
注入口温度:150℃
検出温度:150℃
カラム流量:N
2
50mL/min
検出器:FID
試料量:10cm×20cm
ヘッドスペースGC法とは?
試料をバイアルに封入,密封後一定温度で一定時間加温し,気相に追い出された揮発性成分を吸引し,GCに注入,分離検出する分析手法です。 ヘッドスペース法の分析手法の概念を図3に示しました。
図3 ヘッドスペース法の原理
分析法の流れを以下のとおりです。
(1) バイアルに試料を封入し,フッ素樹脂コートのセプタムとアルミキャップで密封
(2) バイアルを一定温度(Max.180〜210℃)で一定時間(30〜60min程度)保温
(3) 気相(ヘッドスペース)をガスタイトシリンジ等で採取してGCに導入
液体試料を加温して気相に追い出された揮発成分の分析や,固体試料から発生する揮発性成分の測定に使用されます。
・揮発しやすい成分(沸点が低い成分)を高感度で分析できること
・不揮発成分がGCに導入されないのでメンテナンスが容易
・高沸点成分を含む液体試料の場合,直接注入よりも分析時間の短縮が可能
といった特長があります。 もちろん揮発し難い成分の分析には適しません。
包装材,印刷物のような固体試料の場合は,試料の内部にある成分をすべて気相に追い出すことが通常困難なので,ある温度で一定時間保温したときに発生する揮発成分量を測定することになります。 そのため,試料の保温温度,保温時間は一定にする必要があります。
固体試料を分析する場合の留意点
固体試料のヘッドスペース法では,試料の形態によって定量値が異なる場合があります。 試料の封入量(封入面積),封入方法(折り畳む,短冊状にする,細かく裁断する等)を一定にし,試料の保温温度,保温時間も一定にして分析を行います。
包装材や印刷物,フイルムなどのシート状のものは,単位面積当たりの目的成分量(例えばmg/m
2
)で定量値が算出されることが多く,試料は単位面積(例えば10p×10p,100p
2
)を折り畳んで封入,もしくは短冊状に裁断(形状はなるべく揃えて)して封入します。 重量当りで定量値を算出する場合は,試料重量を測定して封入します。 保温温度は80℃〜150℃付近で分析されることが多いようですが,印刷物の母材からの分解ガスが発生しない程度の,なるべく高い温度に設定します。
保温時間は30分以上が推薦されますが,5〜10分程度の短時間で分析できる場合もあります。 また,迅速性の観点から保温時間を5〜10分程度にとどめ,その保温条件で発生する目的成分量を測定して品質管理に用いる場合もあります。 妨害成分の大小,迅速性,定量精度(再現性),感度等を考慮して試料封入量,保温時間や保温温度が決められます。
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