産地/品種判別

にんにくの産地判別
米の種別判別

近年,相次いで発覚する食品の偽装表示に対し,食の安全・安心,ブランド食品の知的財産を守るために,食品の産地,品種判別のための科学的検証手段が求められています。
農林水産消費安全技術センターなどの公的な研究機関から産地,品種判別のための種々のマニュアルが公開されています。産地判別には無機元素分析(ICP発光分析計),品種判別には種々DNA多型解析法が採用されています。品種判別に用いられるDNA多型解析には,アガロースゲル電気泳動,DNAシーケンサまたはポリアクリドアミドゲル電気泳動によるフラグメント解析,DNAシーケンス解析が挙げられます。アガロースゲル電気泳動はより高性能なマイクロチップ電気泳動によって置き換えができます。
ここでは(ICP発光分析計)による産地判別,マイクロチップ電気泳動(DNA/RNA分析用マイクロチップ電気泳動)による品種判別の分析事例を紹介します。

判別 農産物 分析マニュアルの公開元 分析方法および概要
産地 ショウガ
ネギ
梅農産物(梅干)
黒大豆
にんにく
ゴボウ
たまねぎ
コンブ
農林水産消費安全技術センター 元素分析
ICP発光分析装置により,複数種の元素含有量を測定し,判別式により原産国を判定
品種 うなぎ
スズキ,タイリスクスズキ,ナイルパーチ
マグロ
マダイ、チダイ、キダイ
サバ
マアジ、ニシマアジ
DNA多型解析法
マイクロチップ電気泳動,アガロースゲル電気泳動)
食品に含まれる遺伝子(DNA配列)の出現パターンと既存の判別パターンとを照合することにより判別。
魚類判別はDNAシーケンサを併用することあり。
イチゴ
白いんげん
事例1事例2
農林水産省,種苗管理センター

一方,マニュアルのない食品についても,判別したいという要望が高まっており,多く判別法の開発が行われています。また,以下のような新しい分析法による判別法も知られています。
   

有機成分分析 脂肪酸,アミノ酸,有機酸等の含有量の差異により判別
さらに未知の産地判別に寄与する化合物については,LCMSなど質量分析によるデータを多変量解析することで,差異に寄与する化合物の探索が可能  
安定同位体比分析 炭素・窒素・酸素・水素の安定同位体比により判別

<参考文献>
飲食料品の品質表示確認に係る分析技術(独立行政法人 農林水産消費安全技術センター)
http://www.famic.go.jp/technical_information/hinpyou/
DNA分析による品種の識別(農林水産省 品種登録ホームページ)
http://www.hinsyu.maff.go.jp/pvr/hogo.html
開発状況2(独立法人 種苗管理センター)
http://www.ncss.go.jp/main/DNA/DNAkaihatsu2.html