粘着テープの180°剥離試験
【規格番号 ISO29862:2007(JIS Z 0237 :2009)】

はじめに

接着剤は,固体を貼り合わせるために古くは“にかわ(膠)”のようなものに始まり,化学工業の発達に伴って合成高分子を原料とする接着剤が実用化され,電子・電機をはじめ様々な工業分野で多用されています。本稿では,粘着テープに使用されている接着剤の剥離試験方法として,180°剥離試験の一例をご紹介いたします。

測定・治具など

試験片は幅24 mm,長さ300 mmに切断した一般用粘着テープを用いており,試験片をセットする試験板にはSUS304鋼板を用いました。試験片をはがす際にはテープの背面が重なるようにテープの端を把持して180°に折り返して試験板から25 mmはがした後,試験機に設置した下側の治具にそのテープをはがした部分の試験板の片端を固定し,上側の治具に粘着テープを固定しました。

測定結果

Fig.1 試験の様子

Fig.2 試験力とストロークの関係

300 mm/minの負荷速度で試験を実施しました。測定開始後,最初の25 mmの長さの測定値は無視し,その後,試験板から引きはがされた50 mmの長さの粘着力測定値を平均し,引きはがし粘着力の値としました。

[ Table 1 試験結果 ]

引きはがし粘着力
0.217 N/10 mm

プラスチック材料の引張試験システム

試験機 AGS-X
ロードセル 50 N
試験治具 50 N用空気式平行締めつかみ具(平面歯)
ソフトウェア TRAPEZIUM LITE

特長

  • 高精度ロードセルを採用(高精度形は0.5級,標準形は1級)
    ロードセル定格の1/500~1/1の広い保証範囲。信頼性の高い試験評価をサポートします。
  • クロスヘッド速度範囲
    0.001~1000 mm/minの広範囲で試験可能です。
  • 高速サンプリング
    最高1 msecの高速サンプリング。
  • オペレーションソフトウェア TRAPEZIUMX LITE X
    効率を高めるシンプルなソフトウェアです。
  • ジョグコントローラ(オプション)
    クロスヘッド位置を手元で操作できます。ジョグダイヤルを用いることで微小な位置調整が可能です。
  • 応用試験装置
    ラインナップされている豊富な治具に取り替えることにより,様々な試験に対応可能です。