ゴムの引裂試験評価 ~アングル形試験片~ 【規格番号 ISO34-1:2004(JIS K6252:2007)】

はじめに

ゴム材料は伸縮性、弾力性などの特徴的な機械的性質を有しており、工業用部品、建築用資材および生活用品として広く普及しています。このうち、合成ゴムについてはその用途に合わせて性質の異なる多種多様な材料が開発されており、その機械的性質を評価することは品質管理、新素材開発を行う上で非常に重要です。
今回は、2種の合成ゴム試験片(アングル形試験片)について引裂試験を行い、その基本的な機械的性質である引裂強度について評価した例をご紹介します。

測定・治具など

アングル形ゴム試験片の引張試験に際しては、引き裂く力の増大とともに試験片を自動的に締め付けるつかみ具が必要です。ゴム材料は引張負荷を行うと伸長にともなって厚みが減少します。そのため、自動的に締め付ける機構無しでは最大引裂力となる前につかみ具から試験片が抜けてしまい、良好な測定を行うことができません。よって、ゴムの引裂試験では、この機構が備わっている空気式平行締めつかみ具、パンダグラフ式つかみ具、エキセンローラー式つかみ具、ヘンリスコット式つかみ具などを使用する必要があります。

測定結果

Fig.1 試験の様子

Fig.2 試験力と変位の関係

2種のサンプルの引裂試験結果をTable.2に、各試料についての「試験力-変位」の関係を示すグラフをFig.2に示します。サンプル間で引裂強さに明確な違いがみとめられます。
 

ゴムの引裂試験システム

試験機   :AGS-X
ロードセル :1kN
試験治具  :1kN用空気式平行締めつかみ具(片やすり目歯)
ソフトウェア:TRAPEZIUM LITE X

TRAPEZIUM LITE X

卓上形精密万能試験機AGS-X

特長

  • 高精度ロードセルを採用(高精度形は0.5級、標準形は1級)
    ロードセル定格の1/500~1/1の広い保証範囲。信頼性の高い試験評価をサポートします。
  • クロスヘッド速度範囲
    0.001~1000 mm/minの広範囲で試験可能です。
  • 高速サンプリング
    最高1 msecの高速サンプリング。
  • オペレーションソフトウェア TRAPEZIUMX LITE X
    効率を高めるシンプルなソフトウェアです。
  • ジョグコントローラ(オプション)
    クロスヘッド位置を手元で操作できます。ジョグダイヤルを用いることで微小な位置調整が可能です。
  • 応用試験装置
    ラインナップされている豊富な治具に取り替えることにより、様々な試験に対応可能です。